“即興”と”構築” その頂点
【フレディ・ジラルデ】と【アラン・シャペル】
はじめに
料理の世界には、相反するように見える哲学が存在している。
「即興」と「構築」
「感性」と「設計」
そして、その両極の考え方を極め、いずれも“料理界の頂点”と称された二人の巨匠。
彼らの料理人生は、調理方法からアプローチ、思想も正反対で料理人からすると、その生き方は極致に感じるでしょう。
しかし、それぞれが独自の方法で“完璧”を目指し…
その皿の上で「料理とは何か?」を問い続けた偉大な存在であり、今のフランス料理の根源とも感じます。
フレディ・ジラルデ – 即興の魔術師

スイス・ローザンヌ近郊の街、クレシエ。
父のビストロを継ぎ、数年で世界の注目を浴びるレストランへと成長させたのがフレディ・ジラルデだった。
彼の料理における最大の特徴は、即興性 ( Spontané / スポンタネ)
その日に届いた素材を見て
↓
瞬時に発想し
↓
味の組み立てを決める。「皿に使うフレーバーは3つまで」
s1nya.22僕個人の考察では下記の様な考えだと感じています。
- シンプルな個性により、食べ手に対し、素材感がわかりやすいこと。
- 3つの素材同士が活かされる様なアプローチ。
(相乗効果や引き立てる対比であったり様々だと思います) - 刹那的な瞬間を大切にしていること。



料理とは、その瞬間にしか生まれ得ない詩である。
彼の厨房では、仕込みが遅れ、スタッフが緊張の面持ちで待つ姿も珍しくなかった。
しかし…
一度サービスが始まると、その場で構成された皿が驚くほどの完成度で客の前に並ぶ。
そのギリギリのバランスが、彼に「天才」の名をもたらした。
アラン・シャペル – 構築の芸術家


一方で、フランス・リヨン近郊のミヨネに佇む一軒のレストランで、静かに革新を続けていた男がいる。
アラン・シャペルだ。
シャペルの料理には、緻密な設計と構成が存在する。
料理は芸術である前に、構造体である。
一皿一皿が、味・温度・テクスチャー・余韻に至るまで計算し尽くされていて、素材の“意図された使い方”を自ら設計し、お皿に反映させる。



こちらも、僕個人の考察では下記の様な考えだと感じています。
- 料理をする前段階、信頼できる生産者からの仕入れ
(生産者の考えや想い、その素材をリスペクトしていること) - 厨房内での仕込みからサービスまで全てに規律が存在している
(組織的な動きと円滑を生むために、計算され構築されている)



「料理はクラフトであり、構築されるべき詩だ」
彼は毎朝、自ら市場へ出向き、信頼する農家から直接素材を仕入れていた。
素材の“意図された使い方”を自ら設計し、その日のコース全体の流れを完璧に描き出す。
三國清三氏が若き日に師事した際、シャペルはこう語ったという。



この皿は、まだ“洗練”されていない…
それは、余計なものを削ぎ落とし、構築美へと昇華させるための厳格な視点。
相反する哲学、交わる本質


ジラルデとシャペル
一見すると、まるで対極だ
「自由」と「緻密」
「即興」と「構築」
「直感」と「理性」
しかし、彼らに共通していたのは 素材への敬意と食べ手への深いまなざし だ。
料理とは、自己表現であると同時に、客との対話である。
即興か構築かというアプローチの違いはあれど、彼らの目指していたものは「皿の上に宿る真実」だった。
対比まとめ
| 項目 | フレディ・ジラルデ | アラン・シャペル |
|---|---|---|
| 料理スタイル | 感性 / 即興的(スポンタネ) | 理性 / 構築的(設計された) |
| 構成とレシピ | その場で組み立て / 3フレーバー主義 | あらかじめ構築 / 緻密なレシピ |
| 素材調達 | サプライズ型 / 直感的 | 市場へ自ら出向く / 設計前提 |
| 信条 | 「料理は瞬間の詩」 | 「料理は構築される芸術」 |
関連動画 YouTube



料理人って、日々悩み、道に悩むことも多くあると感じます。
三國シェフのこちらの動画もジラルデシェフやアラン・シャペルシェフの様な巨匠と仕事をすることやそのための日々の向き合い方や準備が大切と感じます。
料理王国(記事)
「料理王国」 より引用。
おわりに
自身の視点



僕自身の考えは…
「自由」と「緻密」
自由であり、お客さんとの対応やセッションで楽しませる方法。
精密に創り込み、時間や空間に余白を与えるアプローチ。
「即興」と「構築」
「直感」と「理性」
どちらもお客さんとの時間、空間の創り方とおいしさのバランス全体のバランスで考えます。
現代ガストロノミーの源流を辿ると、必ずこの二人の名前に行き着く…
料理人として、あなたはどちらの哲学に惹かれますか?
ジラルデの自由な感性…
シャペルの静謐な構築美か…
もしかすると、両者のあいだにこそ、正解かは分かりませんが…
次の時代の料理があるのかもしれない…
最後までご閲覧 Merci ございました。













コメント