料理人のオススメ本5選|基礎から世界観、引き出しが増える一冊

料理人が選ぶ、思考と経験を深めるオススメの料理本

料理という仕事は、厨房に立っている時間だけで完成するものではないと感じています。

本を読む時間や誰かの哲学に触れる時間、異国のレストランの空気を想像したり時間、実際に経験する時間。

そうした積み重ねが、結局は皿の上の一皿に自然と滲み出てくる。

今回は、僕自身が実際に読み、今も本棚から時々引っ張り出しているお気に入りの料理本5冊を選びました。

基礎的な技術書から、感性を刺激してくれる一冊まで、それぞれ役割が違いがあり自分自身の支えになっています。

順に基礎、組み合わせ、発想や思考というイメージでご紹介していきます。

目次

『ソース フランス料理のソースのすべて』上柿元勝|基礎を支える一冊

まず、”基礎”の土台となるのがこの本です。

上柿元 勝シェフは、アラン・シャペルやル・デュックといった名店で修業を積み、日本のフランス料理界を牽引してきた存在です。

この本では、ヴィネグレット系から卵黄ベース、フォンとジュ、ソースが分類学的に理されています。

ポイント

  • 基本のソースの名前、分量のベース、基礎知識として養える
    • 全225アイテムを網羅した、ソースのすべてがわかる本
  • 地方や扱う食材のイメージをすることで食文化面も学べる

結果的に、

自由な発想や新しい組み合わせは、基礎を知っているからこそ活きるものだと思います。どんなに独創的な料理を作りたいと思っても、フォンの引き方やソースの仕立て方といった土台がなければ、その自由度や表現の幅は生まれない。

この本は、まさにその「軸」を作ってくれる一冊です。

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僕も20代前半の頃は、基礎的な知識や分量の感覚などが養っていなかったため、この本を読みながらソースやフォンなどの分量、基本ベースを学びながら作っていました。

基礎知識、ジュやフォンの派生、素材の組み合わせ方や文化、基礎を知らないとどこか違和感がありながらも、ミスマッチな事が生まれてしまいます。

今は、基本的な学びのお陰様で様々な組み合わせなどを自由に表現できる様になりました。

『風味の事典』ニキ・セグニット|素材の組み合わせを科学する

次に紹介したいのが、”食材の組み合わせ” イギリスの飲食ライター、ニキ・セグニットによる『風味の事典』です。

例えば、

  • 「豚肉とリンゴ」
  • 「サーモンとディル」
  • 「チョコレートと唐辛子」

など、約980項目におよぶ食材の組み合わせを、99種の基本食材と16のグループに整理した一冊で、三つ星シェフのヘストン・ブルーメンソールも推薦しています

ポイント

  • 作者のストーリーやその時の情景と共に香りの表現があり、内容が面白い
  • 国々での文化面も作者のストーリーに加味されていて世界の料理を香りの方向からアプローチしている
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この書籍は読んでいて、作者の世界観や情景が浮かび上がるような内容で想像力と共に香りがニュアンスを同時に感じるような書籍。

香りと記憶は実は密接な関係であり、”ストーリーと香りがリンクしていている。という点は食べてに対し、実は凄く大切な要素の1つと感じます”。

料理に使う材料の決まりきった組み合わせを壊したい

この書籍を読んでいて、どこかセオリー通りや決まりが存在していたこともあります。

でも、基礎のベースを持ち、同時に料理はもっと自由でいい!という解釈に変化していきました。

これは単なる組み合わせ辞典ではなく、「なぜその組み合わせがおいしいのか?」という感覚を言語化してくれる本です。

新しい皿を考えるとき、頭の中だけで発想が煮詰まってしまうことがありますが、そんな時にこの本をめくると、思いがけない組み合わせのヒントに出会えます。

『香りで料理を科学する フードペアリング大全』|香りという切り口からおいしさを解く

『風味の事典』が「食材の組み合わせ」からアプローチする本だとすれば、こちらは「香り分子」というより科学的な切り口からフードペアリングを解説する一冊です。

分子レベルで共通する香り成分を持つ食材同士を組み合わせるという考え方は、経験則だけに頼っていた発想に、もう一つ別の軸を与えてくれます。感性で「合う」と感じていたものが、実は科学的にも裏付けられていた、という発見が随所にあります。

ポイント

  • 香りの組み合わせ、科学的アプローチ、相乗効果の視点で紐付けされている
  • “食材”と”香り”
    • 同じ食材でも香りの仕上がりの方向性、調理のアプローチで無数の選択肢が生まれる
      (可能性の表現が広がる要素)
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上記にも表記してありますが、この本は料理そのものではなく、主に香りの組み合わせを表記しており、基礎基本があれば凄く汎用性が生まれると感じます。

アプローチ方法 × 香りの方向性
(基礎基本の技術)×(香りのパターン)


この無数のアプローチがあるからこそ、料理が楽しく感じるし、料理人それぞれの個性や自由な表現が可能と感じます。

香りとおいしさの関係

『Septime』Bertrand Grébaut|カジュアルでありながら軸がある食文化

ここから2冊は、海外の書籍で雰囲気がガラリと変わる印象です。

技術書というより、感覚的な目線であったり、”発想”や”料理人の表現の仕方、在り方そのもの”を料理から伝えてくれる一冊。

パリ11区の一つ星レストラン「Septime」のオーナーシェフ、ベルトラン・グレボーとテオフィル・プリアによる書籍。

ポイント

  • 書籍を通して料理の表現はもちろん、Chefの在り方が凄くカッコいいと感じる!そんな一冊!
  • 料理の組み合わせや表現、味の構成が凄くカッコよく、唯一無二感を感じる!

Bertrand Grébaut

Chef Bertrand Grébaut(ベルトラン・グレボー)

アラン・パッサールのもとで修業した彼らが、あえて格式張った高級料理から距離を置き、自然体でありながら本質的な美味しさを追求してきた皿が印象的です!

発酵食やフードロス削減への取り組み、生産者やワインメーカーとの関係性まで綴られていて、「レストランの在り方」そのものを考えさせられる一冊です。

カジュアルさの中に確かな軸がある、というのはまさに彼らの料理そのものだと思います。

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僕自身、凄くここの料理やお店の雰囲気が凄く好きで、カッコいいし、料理の表現、ワインのセレクトから全てがマジでファンです!

ガストロミーのような緊張感よりは、カジュアルで自由な印象!

料理も雰囲気の中で洗練されてる感覚で、そのギャップが凄くかっこいいんです!


凄く熱が入ってしまうコメントであれなんですが、それだけ好きなんです!

僕も基本ベースはフレンチでありながら、お客さんにはそんなに気にせずに楽しんでもらいたい雰囲気や空間創りのモデルの1つになっています。

Avec Bertrand Grébaut(Spotify)

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このシャトーブリアンのラジオが最高にカッコいい🔥

『ノーマ 北欧料理の時間と場所』René Redzepi|憧れと楽しさが詰まった北欧の視点

そして最後は、この5冊の中で「北欧」=「憧れ」があったコペンハーゲンのレストラン「noma」のシェフ、レネ・レゼピによる一冊。

スカンジナビア半島で採れる食材だけを使い、狩猟採集文化の原理に立ち返るという徹底した姿勢は、レシピという枠を超えて、彼の日記や写真と共に在り方や生き方そのもの…

「なぜこの料理にたどり着いたのか」を伝えてくれます。

正直に言うと、この本を開くたびに単純にワクワクします。技術書として読むというより、「料理人ってこんなにかっこいい仕事なんだ」という原点に立ち返らせてくれる一冊です。スタイリッシュで、遊び心があって、でも根底には土地への敬意がある。憧れと楽しさ、両方が詰まっているという点で、僕にとって一番影響を受けた本かもしれません。

ポイント

  • NOMA立ち上げ、スカンジナビア料理の確立の軌跡や苦悩など一皿の背景をストーリーとして感じることができる。
  • 新しい価値観や視点の発見の気づき
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僕もデンマークに行く前に”NOMAの本”と”発酵の技法”を読み、書籍を持っていきながら渡丁しました。

現地の感覚や感性、価値観、技法をより身近で学ぶために実際に触れ、学び、すぐに復習できる環境にしていました!

書籍も自身の1つの思い出と共に経験し、学べたことは大きな財産と感じます。

NOMAが料理界に革命を与えた価値とは?

まとめ|3つの軸で選ぶ、料理人の本棚

改めて5冊を整理すると、こんな役割分担になっています。

  • 基礎・伝統技術|基礎|『ソース』(上柿元勝)
  • 素材の組み合わせと科学的アプローチ|組み合わせ|『風味の事典』『香りで料理を科学する』
  • 現代的な世界観・食文化のスタイル|発想、思考|『Septime』『ノーマ』
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基礎がなければ自由の根を張れず…

科学的な視点やロジックの意味合いや感性の説明や表現の言語化は難しい…

そして何より、憧れや楽しさ、何より夢中でなければ、そもそも料理を続ける意味や情熱が生まれない。

この3つが揃って、初めて一皿に軸と自由が同居するのだと思います。

読んだ本がそのまま皿になるわけではありませんが、確実に思考のどこかに残り続けています。

もし気になる一冊があれば、ぜひ手に取ってみてほしいと思います。

今では、様々な本があり様々な知識を養えると思います。

ご紹介した書籍が何か興味、キッカケが生まれれば嬉しく思います。

最後まで、ご閲覧 Merci ございました。

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ご紹介の書籍一覧

👉ソース -フランス料理のソースのすべて-(Amazonリンク)

👉風味の事典[ニキ・ゼグニット](Amazonリンク)

👉香りで料理を科学する フードペアリング大全 分子レベルで発想する新しい食材の組み合わせ方
(Amazonリンク)

👉SEPTIME フランス語版(Amazonリンク)

※Amazonのみの販売になります🙌

👉NOMA ノーマ: 北欧料理の時間と場所(Amazonリンク)

※価格がヴィンテージ価格みたいになってます!注意して下さい🙌

上記の2つの書籍は楽天などでは取り扱いが無かったです…


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この記事を書いた人

自然 / 調和 / 共存 / 自由 / 無垢をテーマに

Chef at Restaurant Innocence(静岡県内にて開業準備中)

フランス・デンマーク・東京の現場で経験を積み、地元静岡へ

Le Pont de L'Ouysse(フランス・ミディ=ピレネー)
L'Auberge des Glazicks(フランス・ブルターニュ)
La Table de Joël Robuchon(東京)
AMASS(デンマーク・コペンハーゲン)
Simples、Caravin(静岡)を経て、現在は自身のテーマを軸にしたレストランの実現へ向けて準備中。

一皿の裏側の「食」バックグランドを
様々な造り手さん、生産者さんの想いや思考、自身のサステナブルな「食」の在り方、料理人の生き方を無垢に発信しています。

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