プラントベースとは?|自然と調和する『食』の在り方と料理人の思考
近年、プラントベース(Plant Based)という言葉を耳にする機会が増えたと感じませんか?
スーパーやコンビニでも植物性ミルクや大豆ミートを見かけるようになり、飲食店でもヴィーガン対応や植物性メニューへの関心が高まっていますし、その対応が現場では求められています。
では、なぜ今プラントベースが注目されているのでしょうか?
今回は、
- プラントベースの意味
- 増加している背景
- 料理人として感じる変化
- 実際の味づくりの工夫
と順に現場視点も含めて解説していきます。
プラントベースとは?
ヴィーガン|ベジタリアンとの違い
プラントベースは、ヴィーガンやベジタリアンとよく混同されますが、明確な違いがあります。
- ヴィーガン|動物性食品を一切摂らない、思想・ライフスタイルとしての選択
- ベジタリアン|肉・魚を避けるが、乳製品や卵は摂る場合が多い
- プラントベース|「排除」ではなく「植物性を中心にする」という、より柔軟な食の考え方
思想や制限ではなく、あくまで「バランス」として植物性を取り入れる点が、プラントベースならではの特徴です。
植物性食材を中心にした考え方
プラントベースとは、植物由来の食材を中心に構成する食のスタイルのことです。
主に、
- 野菜
- 豆類
- 穀物
- ナッツ
- 海藻
- 果物
などをベースに食事を構成します。
植物性中心の食事には様々な可能性がある一方で、栄養設計によってはビタミンB12などの栄養素が不足する場合もあると言われています。
だからこそ大切なのは、「排除」ではなく、自分自身や身体に合ったバランスを知ることなのかもしれません。
厚生労働省 eJIM|ビタミンB12について(引用リンク)
s1nya.22ヴィーガンやベジタリアンと混同されることもありますが、プラントベースはもっと柔軟な考え方として広がっています。
なぜ近年プラントベースが増えているのか?
健康志向の高まり
近年は健康意識の高まりから、
- 食物繊維
- 発酵食品
- 腸内環境
- 低脂質
- 低負荷な食事
への注目が増えています。


実際に日本国内でもプラントベース市場は拡大傾向にあり、2022年の市場規模は前年比6.6%増、過去10年で約2.2倍に成長しています。
また、プラントベース食品の認知度や喫食経験も年々増加しているとされています。



世の中の流れやアレルギーや食事制限などからプラントベースの料理は「食」を楽しむための引き出しや可能性の1つと捉えています。
自身の息子にアレルギーがあり、日々の食事から耐性を養い、少しでも身体に良い変化が生まれるよう家族で向き合っています。
そんな取り組みや発信を日々の食事、特別な食事、様々なシュチュエーションで楽しめるアプローチ、おいしく食事ができる工夫が料理人ができると思います。
環境問題や持続可能性への関心
背景には環境問題もあります。
世界的な人口増加や食料問題、畜産による環境負荷などから、「持続可能な食」としてエネルギー効率、価値観の多様性などの視点から植物性食品が注目されています。
近年ではフードテック分野でも、技術進化とともに代替肉や植物性食品の研究・開発が進んでいます。
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環境問題、食の継続性の基礎知識


“制限”ではなく選択肢になってきた
以前は、
- ヴィーガン
- ベジタリアン
- 宗教対応
など限定的なイメージもありました。
しかし現在は、
「普段の食事の中で植物性を増やす」というライトな考え方へ変化しています。
週に数回だけ健康志向などの視点や生活改善など健康面からも植物性中心にする「ゆるいプラントベース」の考え方も広がっています。



僕自身年齢や健康意識など様々な視点からも実際の食事に変化が生まれたり、プラントベースの思考や料理の味わいの構成の可能性に最近はすごく興味が生まれました。
料理人として感じる”食の変化”
野菜が”代替”ではなく主役になり始めている
以前の植物性料理は、
「肉の代わり」
という発想が中心でした。
しかし近年は、
- 野菜そのものの香り
- 土のニュアンス
- 発酵の複雑さ
- ハーブの余韻
など、”植物だからこそ出せる魅力”にフォーカスが移っているように感じます。
特に北欧料理や現代ガストロノミーでは、
- 発酵
- 野草
- 保存食
- 地域植物
などを活用したアプローチが増えていると感じます。
世界のとトップシェフも野菜を主軸に



香りの感じ方もフレーバーオイル、可食部での違いが香りのレイヤー構築に大きく影響するとも感じます。
下記のリンクはアラン パッサール ChefのInstagram
“肉(火入れ)の魔術師”と言われていたシェフで昔は肉の火入れにフォーカスされていましたが、数年前から野菜メインに完全に変更し、今だからこそわかるのですが時代の先駆けとも感じます!




プラントベース料理で重要になる”味づくり”
出汁で旨みを重ねる
動物性を減らすと、味の厚みが不足しやすくなります。
そこで重要になるのが「出汁」=「フォン」「ストック」です。
例えば、
- 昆布
- 干し椎茸
- ロースト野菜
- 玉ねぎ、セロリ、人参 = 香味野菜
- ハーブ
などを重ねることで、植物性でも奥行きのある味わいを作ることができます。
料理人としては、
“単体の強い旨み”ではなく、味わいの層を重ねる感覚とも表現できます。
発酵による旨みの活用
プラントベースでは発酵も非常に大切です。
- 麹
- 味噌
- 醤油
- 発酵野菜
- 甘酒
などは植物性料理に深みを与えてくれます。
特に麹は、
- 甘み
- 香り
- アミノ酸由来の旨み
を自然に引き出してくれる、日本ならではの発酵文化だと思います。
実差の活用



トマトウォーターの副産物を麹と合わせて浅く発酵させ、他の料理へ派生させる。
搾りカスなどを廃棄でなく、クリエイティブな循環を生み出し、料理へと昇華する、循環を生み出し、アウトプットすることがInnocenceのコンセプトの1つ。





過去の料理では、
トマトウォーターのアイス / 搾りカスはトマトパウダーにして創ったトマトのデザート


火入れで香りと甘みを引き出す
野菜は火入れで大きく味わいが変化します。
例えば、玉ねぎ1つとっても
- 蒸す
- 焼く
- 炭火で焼く
- ローストする
だけで香りや甘みが全く変わります。
プラントベースでは、
「何を使うか」以上に、「どう火を入れるか」
が重要になる場面も多いです。
まとめ
プラントベースは単なる流行ではなく、
- 健康(身体のケア)
- 環境(自然を重んじるアプローチ)
- 食文化(様々な多様な文化を同じテーブルで分かち合う可能性)
- 持続可能性(未来へ繋げるアプローチ)
など、これからの「食」の在り方を考える中で生まれている大きな変化の一つなのかもしれません。
そして料理人として感じるのは、
ある制限の中にこそ、新しい創造性も生まれる可能性があること。
植物性だからこそ見えてくる香りや旨み、調理の面白さがあり、そんな考えの中で仕事できることを最近は楽しく感じます。
最後まで、ご観覧 Merci ございました。
s1nya.22
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